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THXは「スターウォーズ」や「インディージョーンズ」など数々の名作映画を制作してきたルーカスフィルム社の1部署として誕生しました。 ルーカスフィルムの願いは良い映画を作ることと、その映画をオリジナルに忠実な形でエンドユーザまで届けることです。THXは、その後者を実現するために設立された部署といえます。 |
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今から20年以上前、ジョージ・ルーカスにとって、映画館のほとんどはサウンド的に満足のいくものではありませんでした。各映画館の音環境はバラバラであり、それぞれの映画館の差を埋めるような、ハイレベルな映画上映に関する規格がないことに彼は気づいたのです。 そこで、ジョージ・ルーカスは1980年に、映画館の品質管理のための規格の開発をスタートさせました。映画を楽しむ上でサウンドは重要な要素である、と考えている映画ファンのためにも、より正確に再生できるような環境整備がこの規格の目標でした。 |
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1983年、ルーカスフィルムTHX部門が創設され、「スターウォーズ、ジェダイの復讐」のプレミアム試写会のために、2つの映画館にTHX システムが導入されました。今日では世界中で、3000以上の劇場、ダビングステージがTHXの認証を受けています。 |
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その他にも映画上映の品質をより向上させるためのTHX Theatre Alignment Program (TAP) 、家庭用THXオーディオシステムのための認証プログラムであるHome THX Program、家庭用パッケージメディア(DVD、VHS、LD)の認証プログラムであるTHX Digital Mastering Program等のサービスを行なっています。 |
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近年、ホームビデオ、TV、音楽、ゲームの分野で新しいアプリケーションである5.1チャンネルサウンドが急激に成長しており、そのためのマルチチャンネルミキシングの重要性が増しています。反面大規模なダビングステージでのミックス作業には多大なコストがかかります。そのためTV、DVD、音楽等のマルチチャンネルミックスを小さなコントロールルームで行う場合が多々あり、小規模空間での作業を行うための規格が求められていました。 そのような状況を受けて1999年にルーカスフィルムTHXは比較的小規模空間のマルチチャンネル・スタジオを対象とした認証プログラム、THX pm3 (Professional Multi-Channel Mixing and Monitoring)を発表しました。 |
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pm3は小規模空間でのミキシング、モニタリングに関する問題を分析した結果を基に、機材と室内音響双方の仕様を設定しています。また、全ての pm3認証スタジオにおいて THX認証のベースマネージメントコントローラーを採用し、小規模空間の厳しい条件下においても5つのコンパクトなスピーカとサブウーファによって全周波数帯の応答と正確な音色の再生を可能としています。ベースマネージメントコントローラーの中には、THX Re-Equalization (THX Re-EQ) を内蔵しいるものもあり、小規模空間でフィルムミックスを正確に再現することも可能です。このことによって、フィルムからDVDフォーマットへの変換作業時のモニタリングはもちろんのこと、その他のメディアにおけるマルチチャンネルミックスのための最適な環境を、小規模のスタジオにおいても実現できるのです。 |
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現在、THXは、ルーカスフィルム社の1部署ではなく、THX Ltd.とという会社として独立しています。
THXは、THX Studio、THX Cinema、THX Home、THX Mobile、THX Gamesの5つの部署から形成されており、THX
pm3プログラムは、これらのうちのTHX Studioの部署に属するプログラムです。
映画館や映画のファイナルミックスを行うダビング・スタジオなど、大空間の音響設計プログラムに関しては、THX pm3プログラムではなく、THXプログラムが適用されます。THXプログラムのうち、映画館に関しては、THX
Cinemaの部署の管轄となり、ダビング・スタジオに関しては、THX pm3プログラム同様、THX Studioの部署の管轄となります。(下図参照) |